TMIブランディングデザイン | 名古屋大学 未来社会創造機構

TMI
Nagoya University Transdisciplinary Mobility Innovation

Design Consulting, Branding, Art direction, Graphic design
Art Director: Shimizu Ryo
Cl: 名古屋大学

コンセプト

名古屋大学TMIプロジェクトは、「移動」を社会的価値に昇華できる「超学際移動イノベーション人材」養成を実現するためのものです。

近年の「移動革命」と呼ばれる技術革新は、時間・空間の移動コストを最小化する社会変革を創出する一方、社会課題が複雑化し「豊かなライフスタイルの実現」が困難になりつつあります。
ライフスタイル革命の牽引には、人文・社会科学、工学、情報学、環境学などの異分野の専門家でチームを組み、社会への橋渡しが可能な、超学際的な人材が必要です。

そうした「移動」の社会的価値実現にむけて、本プロジェクトではあまねく人々の「移動」という行為を 広く深く見守るという大局的な視点を導入しました。

ギリシア・ローマ神話に登場するヘルメスは、各地を「移動」する人々を見守る「旅人の神」と言われています。

そのヘルメスを象徴する羽の生えた靴をコンセプトの軸として展開、そのモチーフである翼にフォーカスし、
移動やそれに伴う幅広いシステムを射程とした TMIのシンボル・ロゴタイプをデザインします。

TMIシンボルグリッド

「移動」を表現する
シンボルのデザイン

TMI卓越大学院プログラムの対象となる「6研究科」の「6」という数字から着想し、6枚の羽を円環状に配置しすることで ひとつの輪へと統合される様子をシンボルとしてまとめました。

各々の羽には6色のカラーリングを施し、研究科ごとのアイデンティティと、TMIの持つ多様性を表現します。

また、全体の設計としてシンボルを囲う視覚的な円の直径の 1/10を1ユニット(=A)とし、 このユニットを基本単位として、 シンボル内の造形要素および要素間の空間を算出しています。

たとえば、3つに分割される羽のそれぞれの高さは、幾何学的な同一寸法ではなく視覚的に同程度に見えるような補正を行い、全体とのバランスを調整しながら設計しています。

TMIロゴタイプグリッド

ロゴタイプデザイン

均一の太さを持つストロークで描くことで、現代的でクリーンな印象を与える TMI卓越大学院プログラムを象徴するロゴタイプデザインです。

「T」・「I」それぞれの文字幅を同一に揃え、 左右対称の造形による「M」を、 ロゴタイプ全体の中心に位置するように設計しました。

縦・横それぞれのストローク同士の間隔をわずかに離し、交点によって生じる黒みの偏りを避けています。
それにより、全体として軽やかなアイデンティティを表現しています。

TMIオリジナル書体拡大

タイプフェイスデザイン

TMIの正式名称である「Transdisciplinary Mobility Innovation」を、シンボル・ロゴタイプと組み合わせて使用するための オリジナルのフォント(書体)デザインしています。

サンセリフ体をベースにしつつ、 より可読性を高めるため、小文字の高さ(xハイト)を大きめに設計し、
「G」・「O」などの周囲の円弧を、外側に膨らませるように広げ、 どっしりとした信頼感のある印象を訴求します。

大文字の「I」は、上下に横ストロークを付与したスラブセリフのような造形とし、
「TMI」のロゴタイプのデザインと組み合わせた際、統一した印象を与えられるようにしています。

TMIオリジナル書体
TMIブランドカラー
TMIシンボルロゴの組み合わせ