お薦めデザイン書籍【製図・割出図編】

1.『デザインの製図』

最近はプロダクトのデザインもCGイメージで表現するのが主流だと思うのですが、学生さんのポートフォリオでも綺麗にまとめられていていつも関心します。CGでデザインをプレゼンテーションを行う時は、無数にあるアングルの中から自分が一番きれいだと思う角度を選んで表現すると思います。そうすると見えない後ろ側の面とか形状のディティールとか、そうした部分が隠れてしまう事が多くなります。
ポートフォリオに平面の図面を掲載するのは、そうした見えない部分がどうなってるのかを示すという観点でも非常に重要です。その際に留意すべきなのは、図面という表現形式を用いる以上、基
そうしたデザインにおける基礎的な製図のスキルを学ぶ時におすすめしたいのが『デザインの製図』という本です。副題に「デザインを学び始めた人のための」とあるように、初学者に向けて製図について網羅的にわかりやすく説明してくれます。
デザイン分野の図学・製図の歴史や背景から製図用具の種類、説明、使い方までくわしく教えてくれます。
第4章の製図の基本では、線の種類とその役割についてまとめた表もあり、その後には実例を載せてあるので実践的にわかりやすい構成になっています。青と黒の2色刷なので、例として掲載されている図面もとてもわかりやすく、見やすいのも特長です。
その他、マーカーレンダリングやパッケージ展開図、ポスターの図学解析などの内容もあって製図的な手法を用いたデザインの応用例も豊富です。もちろん機械製図のもっと詳しい本は他にもありますが、初めて学ぶ人が難なく読めて、理解・実践できるという点では、とても良い本だと思います。
2.『Balance in Design』

皆さんデザインをする時、どうやって全体のプロポーションを検討するでしょうか。この『Balance in Design』という本は、デザインの初期段階のプロセスにおいて、基準を決めて相対的な位置関係やバランスを考えながらデザインしていくアプローチについて教えてくれます。
一つ前の『デザインの製図』の中でもポスターの図学解析に例がひとつ載っていましたが、その解析の例をプロダクトやグラフィックなど色々なジャンルを横断して見せてくれるイメージです。
人体のプロポーション、黄金比などの基礎的な内容からはじまり、後半にはデザインの視覚解析としてデザインの名作と言われるさまざまな作品について、解析した結果をみせてくれます。
作品写真の前のページにはトレーシングペーパーが重ねられる仕様で、解析したグリッドが載っているので、非常に比較がしやすいです。掲載される作品としてはバウハウス展のポスター、バルセロナチェア、ブラウンのハンドミキサーからVWのビートルまで様々で見ていても飽きません。
3.『Typographic Systems―美しい文字レイアウト、8つのシステム』

レイアウトや割り出しの検討時に役に立ちそうなの本が『Typographic Systems―美しい文字レイアウト、8つのシステム』。
美しいレイアウトを生み出すために必要なのは、垂直水平のグリッド(システム)以外にも、多様にあるということを実例を交えながら教えてくれます。

具体的な内容は、中軸・放射・拡張・ランダム・グリッド・転調・モジュール・左右対称、という8つのシステムと、それぞれのシステムを用いてつくられた実際の作品の分析が主です。
こうした分類だけで素晴らしいデザインが生み出せるほど単純ではないと思いますが、グリッドに揃えるだけじゃない、他にもアプローチがあるんだというのが理解できるのはとても楽しいのではと思います。
おわりに
本の紹介にあたっての基本的なスタンスは、
・信頼できる著者と内容で質が担保されている
・現在でも入手が容易である
という点を重視しました。
今回の本は一部古いものもあり、古書での入手が主になると思いますが、価格が高騰していることもないので手に入れることはまだ容易ではと思います。
あくまで「今デザインを学んでいる学生さん」が簡単に入手できるもの、という観点で選んでいます、よければ参考にしてみてください。



