TEDxSaikai

TEDxSaikai 2018

Branding, Main visual

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「沈黙(SILENCE)」を表現する

長崎県西海市で行われた第1回目のTEDxSaikaiのテーマは「POWER OF SILENCE」。長崎を舞台にした遠藤周作の小説『沈黙』からインスピレーションを受けたというこのテーマのメインビジュアルを手がけました。
ビジュアル制作にあたって、最初に考えたことは、「沈黙(SILENCE)」を視覚的に表現するにはどうしたら良いか?ということです。

例えば、ドーナッツの穴は食べ終えると穴もなくなってしまいます。このドーナッツの穴を巡る問いをヒントに、不在を表現する方法がないかを探りました。
日本人はどのように沈黙を表現してきたのでしょうか。まず、沈黙を想起させる「ぽつねん」という単語について調べました。

実用日本語表現辞典には、
「ぽつねんと」の形で、一人で何もせずに佇んでいる様子などを表す語。「ぽつん」などとも表現する。
と記されています。寂しさや侘しさのようなものを表そうとしているようにみえます。

漫画では、「シーン(しーん)」という表現が使われています。この効果音は手塚治虫が考案したと言われており、手塚治虫自身も著書の中で以下のように言及しています。

「音でない音」を描くこともある。音ひとつしない場面に「シーン」と書くのは、じつはなにをかくそうぼくが始めたものだ。このほか、ものが消えるとき「フッ」と書いたり、顔をあからめるとき「ポーッ」と書いたり、木の葉がおちるときに「ヒラヒラ」と書くなど、文章から転用された効果は多い。

 

音楽の分野ではどうでしょうか。楽譜上では休符記号など、音を奏でないことを示す記号があります。
このほか特異な例としては、ジョン・ケージが作曲した『4分33秒』という曲があります。
この曲は五線譜や音符が無く、休符記号すら省くことによって(楽章と休止を表す言葉があるだけで)静寂を表現しています。
静寂を表現するとともに、楽器を演奏しないことで会場の客席や空調の音が聞こえるという、「無音の不可能性」を追求した作品です。

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TEDxイベントにおけるビジュアルは誰のためのものか

TEDxというイベントは、他のコミュニティにも増して多様なバックグラウンドを持つ人々によって支えられています。パーティシパント(参加者)に限らず、運営スタッフやスピーカーなどにおいても、限られた分野に偏らないこと、異なる価値観を持った人々が集うことに価値があると考えるからです。

その点を踏まえると、ビジュアルのモチーフには、出来る限り「様々なバックグラウンドの人が見てもわかりやすい」という視点が必要なのではと考えました。そこで、他国を見回しても、一定程度の記譜法として確立されている五線譜を用いました。

ビジュアル面からの検討として、「POWER OF SILENCE」の中にある「E」を楽譜(五線譜)に見立て、五線譜上に音符や休符を表記しないことで「沈黙(SILENCE)」を表しています。
本来であれば水平の五線譜を、わずかに傾けることで動きをつけつつ、SNSのアイコンやカバーなど各メディアへの展開を想定してまとめています。

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