Glassdoorのブランドロゴ刷新事例 記号によるモノグラムデザイン

Glassdoorのブランドロゴ刷新事例

カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置き、月間5,500 万人以上のユニークユーザーを誇る求人検索エンジンサービス Glassdoor(グラスドアー)が Koto 設計による新しいアイデンティティを発表しました。

分類4_ワードマーク・文字

旧デザインからドアを思わせるシンボルを取り除き、ワードマークのみによってアイデンティティを再構築したデザイン。分類 4.Wordmarks(ワードマーク・文字)を、シングルクォーテーションマーク【”】で囲ったシンプルなもの。

ロゴマークデザインの分類について「ブランド・アイデンティティ・デザインのためのロゴマーク5分類」へもまとめています。

逆向きのシングルクォーテーションマーク

Glassdoorのブランドロゴ刷新事例

新しいブランドアイデンティティでは、ロゴタイプを全て大文字にしたシンプルなサンセリフ体のワードマークが導入されています。

シングルクォーテーションマークで囲まれたこのデザインは、企業について意見を交わす場所という Glassdoor の企業価値を想起させる有効なアプローチと言えるでしょう。一方、最初のシングルクォーテーションマークが一般的な表記とは異なり180度回転しているため、間違って使用されているのではと混乱が生じます。

この奇妙なシングルクォーテーションについては、上のケーススタディを参照するとその意図がわかります。

シングルクォーテーションマークが社名 Glassdoor の「gd」、モノグラムを構成しています。そのため一見不自然さの残る逆向きのシングルクォーテーションを配置しているのです。このアプローチはかなり巧妙で、最初は(多くの人は)気が付かないのではないでしょうか。

Glassdoorのブランドロゴ刷新事例

ロゴタイプを左右に圧縮するようなアニメーションが見られます。前後2つの引用符に囲われるのは、社名の他にもユーザーが対話する時に口にするようなカジュアルな言葉「Hmmm…」などです。

あえてウェイトの細い書体を組合わせ、社名(ブランドアイデンティティ)との違いを強調している点も上手くいっています。

社名周りの引用符が「g」と「d」であることがすぐには分からないとしても、こうしたアニメーションによってSNSなどのメディアでモノグラムを展開することで、その関連付けは比較的用に受け入れられるかもしれません。

オリジナルのタイポグラフィとアイコンセット

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ブランドアイデンティティ要素として、新しいカスタムのサンセリフ書体「Glassdoor Sans」がデザインされました。

「2」の斜めのストロークの曲線は「Helvetica」などをベースにしているように見えます。「7.8.9」辺りは、より幾何学に処理されていて、「DIN」などに近いでしょうか。既存のサンセリフをベースにしていることが伺えます。

その中では「Q」の字形は特に目を惹くものになっています。2画目のストロークが円の中心まで伸び、他の文字とは一線を画す印象で、こうした特徴的なディテールがもう少し見られても良かったかもしれません。

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アイコンセット

カラーパレットは、若干彩度を落としたような組合わせで、派手すぎず落ち着いた印象を与えています。

ブランドのスタイルを規定するイラストレーション

Glassdoorのブランドロゴ刷新事例
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ブランドアイデンティティを構築しているもう一つの要素は、 Josep Puy によるイラストレーションでしょう。

描かれるストロークには抑揚があり、柔らかな印象を与えています。また、人々の等身をみると現実的なプロポーションよりも頭部が大きく、それによって親しみやすさを演出しています。

質感を表現しているスクリーントーンのようなパターンは、イラストレーションに奥行きを与えていて、少ない色数ながら、魅力的な表現になっています。

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アプリケーションのオンボーディングUI

おわりに

新たなブランドデザインは、シングルクォーテーションマークによって社名を囲うシンプルな事例でした。

この引用符が glassdoor「g」と「d」であるという挑戦的なブランドのコンセプトが、実際のユーザーにどこまで受け入れられるかが非常に注目されます。

非英語圏の私たちにとっては、シングルクォーテーションマークの「不自然さ」がなかなか直感的に理解しにくい面もあるのですが、こうしたブランドのオリジナリティを強化するアプローチがうまく機能すると素晴らしいですね。

*記事内で使用した「Glassdoor」のシンボルマーク・ロゴタイプおよび関連画像は、全て “Glassdoor” に帰属します。

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