グッゲンハイム財団のリブランディング事例

Glassdoorのブランドロゴ刷新事例

ソロモン・R・グッゲンハイム財団は1937年に設立され、グッゲンハイム美術館を運営を行うことで知られています。2025年にはグッゲンハイム財団傘下最大の美術館、アブダビ・グッゲンハイム美術館をオープン予定。この美術館はフランク・ゲーリーが建築を設計し、約3万平米のスペースを持つ規模感です。

2024年にグッゲンハイム財団はブランドアイデンティティをリブランディング、デザインは英国ロンドンを拠点とするペンタグラムのパートナーハリー・ピアース氏です。

グッゲンハイム財団良ブランディングビフォーアフター

古いロゴは、ニューヨークの美術館のファサードに刻まれたレタリングをロゴに翻訳したものです。1992年のマッシモ・ヴィネッリが手がけ、2013年にペンタグラムのパートナーであるアボット・ミラーによってより現代的な形にリファインされました。

ロゴタイプのディティールは、そうしたDNAに忠実に「幾何学的なサンセリフ体」という方向性を踏襲しています。似た骨格を用いながら全体的にウェイトを太くし、文字間を広げて力強い印象になりました。(「G」の文字の水平のストロークの位置は大きく変わっています。)

分類4_ワードマーク・文字

新旧どちらのロゴタイプのデザインも、分類としてはわかりやすいものですね。ワードマークのみによってアイデンティティを構築したデザインです。分類としては 4.Wordmarks(ワードマーク・文字)になります。

ロゴマークデザインの5つの分類について「ブランド・アイデンティティ・デザインのためのロゴマーク5分類」へもまとめています。

グッゲンハイム財団リブランディング

モノグラムによるブランドの拡張

グッゲンハイム財団リブランディング

今回の大きな変化はこの上のモノグラムの追加ですね。頭文字一文字「G」をモチーフに、一部をカットされた円形で統合されています。SNSのアカウントやグッズへの展開など、多様なメディアでの汎用性は高く設計されています。

グッゲンハイムリブランディング事例

シンプルで幾何学的な造形ですが、マージンの取り方や中心にあるエレメントの太さ、ストローク同士の間隔などやや親しみやすすぎる印象ですね。

グッゲンハイムリブランディング事例
グッゲンハイムリブランディング事例

オリジナルのタイポグラフィもデザインされています。「GUGGENHEIM SANS」と名付けられたこの書体は、ブランドのロゴタイプと丁寧に整合されたディティールが特徴的です。

幅広いウェイトが揃っていることで、柔軟に様々なメディアで展開できそうです。加えてアラビア語の書体もデザインされている点も興味深いですね。

グッゲンハイムリブランディング事例
グッゲンハイムリブランディング事例
グッゲンハイムリブランディング事例

ピクトグラムのデザインアセットも発表されています。こちらも知的な、というよりは親しみやすい印象を目指しているように見えます。モジュールの中での余白はかなり切り詰められ、余白の少ない大柄なイメージです。

禁止を示す斜線のストローク(ピクトグラムの機能的表現)と、ハンガーのストローク(対象を示すオブジェクト表現)の幅が似通っているなど、やや読み取りづらい点もありますね。

おわりに

2010年代と20年代の大半、ロゴのデザインは1つのメガトレンド=徹底的なミニマリズムによって特徴づけられていました。この時代のリブランディング事例では、デザインがよりシンプルになり、よりフラットになり、よりミニマリスト的になることが一般的です。

グッゲンハイム財団のリブランディング事例についても同様なアプローチが見られます。元のFuturaに似た書体から、よりニュートラルな印象のロゴタイプへ変更されました。

モノグラムが追加されることで、よりカジュアルな印象へ転換したとも言えます。ロゴタイプやピクトグラムのデザインも含め、全体として親しみやすいデザインです。独自のタイポグラフィで規定されたアラビア語での展開、アラブ圏でどのように受け入れられていくのか注目していきたいと思います。

ブランドのDNAは正しく継承されていますか?

Balloon Inc.では、既存のアイデンティティの文脈を読み解き、現代の多様なメディアに最適化するリブランディング・アップデートを支援しています。ロゴタイプのウェイト調整からガイドラインの再構築まで、貴社の「情報の温度感」を整えるお手伝いをいたします。

【→ ブランディングについて相談する

*記事内で使用した「Guggenheim」のシンボルマーク・ロゴタイプおよび関連画像は、全て “The Solomon R. Guggenheim Foundation” に帰属します。