ロゴマークの5分類—特徴の比較と最適な選び方

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の比較と分析カバー

新しいブランドや事業のためにロゴマークをつくろうとした時、「どんなタイプのデザインが自社に合うのか」という判断は、経営者や事業責任者にとって最初に直面する課題のひとつです。

ロゴマークのデザインには分類が存在し、それぞれに適した業種・企業規模・ブランドステージがあります。分類の特徴を理解した上で選定することで、デザイナーとの対話もスムーズになり、ブランディングの成果に大きな違いが生まれます。

本記事では、ロゴマークのデザインを大きく5つのタイプに分類し、それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較するとともに、自社に最適なロゴの選び方まで解説します。

ロゴマーク・ロゴタイプ・シンボルマークの違い

ロゴマークの種類を理解するにあたり、まず基本的な用語の違いを整理しておきましょう。

ロゴタイプとは、企業名やブランド名を独自にデザインした文字のことです。シンボルマークとは、ブランドの理念や特徴を図形として表現したマークを指します。そしてロゴマークとは、ロゴタイプとシンボルマークを組み合わせたもの、あるいはそれらの総称として広く使われている呼び方です。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧

この「ロゴマーク」は、あらゆるブランドシステムの中心であり、ブランディングにおいて欠かすことのできない要素です。名刺、Webサイト、製品パッケージ、看板、SNSアイコンに至るまで、あらゆるタッチポイントでブランドを認識させる役割を果たします。

ロゴマークを構成する各要素の詳しい関係性については、「ブランドの役割とデザイン開発」の記事でも解説しています。

本記事では、「ロゴマーク」のデザインを大きく5つのタイプに分類し、それぞれの特長を比較することでブランドアイデンティティの構築における手がかりをつかみたいと思います。

*2026年3月:記事構成を大幅にリニューアルしました。
*2025年4月:Balloon Inc.におけるデザイン戦略についてのサマリーを公開、追記しました。
*2024年1月:文章および例示したデザインを更新しました。
*2023年10月:例示したデザインを最新の内容へ更新しました。
*2023年4月:Signature colors(シグネチャーカラー)を追記しました。

ロゴマークデザインの5分類—抽象から具象のスペクトラム

ロゴマークのデザインは、大きく5つのタイプに分類できます。Balloon Inc.では、抽象度の高いデザインから具象度の高いデザインへの連続体(スペクトラム)という独自の視点でこれらを整理しています。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧

左側の幾何学的で要素の少ない 1. Abstract(抽象的図形) から、右へ向かうにしたがい、モチーフや要素が増え情報量が豊かになる 5. Emblems(エンブレム) へと変化する構造です。

以下に5分類の概要を比較表にまとめました。

分類特徴メリットデメリット向いている企業・サービス
1.Abstract
(抽象的図形)
幾何学的な図形の組み合わせ記憶に残りやすい、多サイズ展開が容易、グローバル対応単体では意味が伝わりにくいグローバル展開を目指す企業、テクノロジー企業
2.Representational
(具象的図形)
具体的な対象物を図案化独自性の表現、ストーリー性ブランドとの関係性構築が必要ブランドストーリーを重視する企業、食品・自然関連
3.Letterforms
(レターフォーム)
社名の頭文字をデザイン名前との紐付けが自然、認識しやすい頭文字の限られた造形社名が長い企業、頭字語のブランド
4.Wordmarks
(ワードマーク)
社名をフルスペルでデザイン社名そのものが浸透、出自や歴史を表現可読性への配慮が必要創業者名のブランド、歴史あるブランド
5.Emblems
(エンブレム)
紋章・記章的なデザイン正統性・権威性の表現小サイズでの視認性が低下しやすい教育機関、政府機関、伝統的ブランド

それぞれの分類について、詳しく見ていきましょう。

1. 抽象的図形(Abstract)—理念をかたちにするロゴ

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類1_抽象的図形

Abstract(抽象的図形)ロゴとは、幾何学的な図形やプリミティブ(素朴)な形の組み合わせにより、ブランドの理念や価値を象徴的に表現するシンボルマークです。

特徴とデザイン原則
抽象的なシンボルは、具体的なモチーフに頼らず、図形そのものの造形によってアイデアを表現する点が最大の特徴です。ほとんどの場合において、言葉よりも効果的にブランドの本質を伝えることができます。

造形要素を削ぎ落としたデザインであるため、文化的背景に左右されないビジュアルコミュニケーションが可能です。言語的な障壁が低く、世界共通で受け入れられやすいという点から、グローバルブランドに多く採用されています。

実務の現場では、クライアントが「何を表しているのか分からない」と感じやすい分類でもあります。だからこそ、デザインに込めた意味を言語化し、ブランドストーリーとして共有するプロセスが重要になります。

メリットとデメリット
メリット: 記憶に残りやすく、看板のような大きなサイズから名刺の小さなサイズまで、スケールを問わない展開が容易です。文化・言語を超えた普遍性があり、グローバルマーケットに最適です。

デメリット: シンボル単体では具体的な印象に結びつけにくく、社名やサービス名と組み合わせてブランドの認知度とエクイティを構築していく必要があります。認知形成に一定の時間と投資が求められます。

向いている業種・ブランドステージ
グローバル展開を視野に入れたプロダクト・サービス、テクノロジー企業、業種横断で事業を展開するコングロマリットに適しています。また、既存のブランド認知がある企業がリブランディングにより抽象的なシンボルへ移行するケースも増えています。

2. 具象的図形(Representational)—メタファーで伝えるロゴ

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類2_具象的図形

Representational(具象的図形)ロゴとは、動物・植物・道具などの具体的な対象物を図案化し、ブランドの世界観や提供価値を視覚的に表現するシンボルマークです。

特徴とデザイン原則
企業やブランドを体現するもの、あるいは顧客にもたらす利益を、メタファーなどを用いてひとつの具体的なイメージに要約することが設計のポイントです。

社名とシンボルで表現された対象物が同一であるケース(Apple Inc.のリンゴなど)は少数で、直接的な関係性がない場合も多く見られます。そうした場合は、なぜそのモチーフを選んだのかというストーリー性のある背景を同時に設計し、ブランドストーリーとして展開する必要があります。

ブランドデザインの実務では、クライアントの事業の本質を象徴する「一つのモチーフ」を見出す過程が、ブランド戦略の核心的なプロセスとなります。この過程そのものが、組織の自己理解を深める機会にもなります。

メリットとデメリット
メリット: 抽象的シンボルよりも直感的に理解されやすく、認知度や独自性の向上に寄与します。モチーフのストーリーがブランドへの愛着形成につながります。

デメリット: Abstract型と同様に、ブランドとの関係性の度合いによっては、社名やサービス名を加えてブランド認知を構築する必要があります。モチーフの選定を誤ると、事業内容との乖離が生じるリスクもあります。

向いている業種・ブランドステージ
ブランドストーリーを重視する企業、食品・飲料・自然関連のブランド、地域やコミュニティに根ざした事業に適しています。新規ブランド立ち上げ時に、「何を提供するブランドなのか」を直感的に伝えたい場合にも有効です。

3. レターフォーム(Letterforms)—頭文字を意匠化するロゴ

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類3_レターフォーム・字形

Letterforms(レターフォーム)ロゴとは、社名やブランド名の頭文字をベースに独自のデザインを施したシンボルマークです。2文字以上の文字・記号を組み合わせる場合はモノグラム*1とも呼ばれます。

特徴とデザイン原則
レターフォームのロゴデザインは、ブランド名が長い、発音しにくい、または複数の単語からなる頭字語のブランド名に用いられることが多い傾向にあります。

認識しやすく記憶に残りやすくするために、単純な文字の形に装飾や独自の要素を付与する処理が施されます。こうしたデザイン的な処理により、企業や組織の活動内容や属性が文字の造形を通じて表現され、ブランドのオリジナリティの体現につながります。

メリットとデメリット
メリット: ブランド名との紐付けが自然なため、名前の認知と視覚的なシンボルの認知を同時に構築できます。文字をベースにしているため、可読性とデザイン性のバランスが取りやすい点も特徴です。

デメリット: 1〜2文字という限られた造形要素の中で独自性を出す必要があり、他社との差別化が難しい場合があります。また、頭文字だけでは業種や事業内容が伝わりにくい点にも注意が必要です。

向いている業種・ブランドステージ
正式名称が長い企業や団体(頭字語が定着しているケース)、既に一定の知名度があるブランドのリデザイン、ファッション・ラグジュアリー分野で多く見られます。

*1モノグラム: 2つ以上の文字やその他の記号を重ね合わせたり、組み合わせたりして、1つの記号を形成した文様のこと。日本語で「組合せ文字」ともいう。

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4. ワードマーク(Wordmarks)—文字そのもので語るロゴ

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類4_ワードマーク・文字

Wordmarks(ワードマーク)ロゴとは、会社名やブランド名を独自のテキストとして(多くは省略することなくフルスペルで)デザインしたものです。またコンビネーションマーク(シンボルとロゴタイプを組み合わせたもの)の一部としてのロゴタイプを指す場合もあります。

特徴とデザイン原則
このタイプは、創業者やブランドの出自を表現するような名前が社名になったケースに多く見られます。手描きの痕跡をあえて残したようなデザインが多用されるのも特徴で、「言葉は意味を伝え、タイプフェイスは性質を伝える」というコンセプトを体現しています。

文字そのもののデザインだけでなく、可読性についても重要な考慮事項です。一部のブランドでは可読性を一部犠牲にしたスクリプト(筆記体)や手描きのサイン、個人的なタッチを表現するデザインも存在しますが、近年はよりクリーンなタイポグラフィへ移行するリブランディングが増えています。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_Ferragamoリブランディング

たとえば、Ferragamo は2022年に大幅なリブランディングを実施し、手描きのスクリプト体から、石刻文字のディティールを加えたモダンなロゴタイプへ変更しました。デザインはピーター・サヴィルによるものです。こうした動向は、デジタルメディアでの視認性や多デバイス対応の要請を背景としています。

メリットとデメリット
メリット: 社名そのものがデザインとして浸透するため、ブランド名の認知度向上に直結します。ブランドの出自・属性・歴史を、文字のデザインを通じて表現できます。

デメリット: 文字のデザインに依存するため、可読性とデザイン性のバランス調整が難しい場合があります。また、社名変更やグローバル展開時に対応しにくい点があります。

向いている業種・ブランドステージ
創業者の名前を冠したブランド(ファッション、飲食、士業など)、ブランド名そのものの浸透を優先したい新規ブランド、ネーミングに強いこだわりを持つ企業に適しています。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類5_エンブレム

5. エンブレム(Emblems)—紋章的な正統性を示すロゴ

Emblems(エンブレム)ロゴとは、紋章・記章・バッジ的な造形の中に複数のデザイン要素を含む、正統性や権威性を表現するデザインタイプです。

特徴とデザイン原則
もともとエンブレムは、神性・部族・国家・徳といった抽象概念を視覚的に具体化させたものです。複数の要素が一つの形状の中に統合されており、紋章やバッジ、印鑑のような形にすることで、正統性やオーセンティシティの表現にふさわしいデザインとなります。

一方で、描かれるモチーフ・要素が複数に及ぶケースが多く、視認性が著しく低下するデザインになりやすいという構造的なデメリットがあります。名刺のような小さなサイズでの使用に適さないケースも見られ、サイズごとに描画する要素をシンプルに調整する対応が必要です。

たとえば、Harley-Davidson のWebサイトでは、ヘッダー表示には文字要素を含まないエンブレム外形のみのデザインを使用するなど、展開先のアプリケーションに応じた対応がなされています。

メリットとデメリット
メリット: 正統性・権威性・歴史性を強く表現できます。「信頼できる組織」という印象形成に効果的で、伝統を重視するブランドとの親和性が高いです。

デメリット: 複数要素を含むため小サイズでの視認性が低下しやすく、デジタルメディア(ファビコン、SNSアイコン等)での展開に制約が生じやすい点があります。複雑な造形のため、制作コストも相対的に高くなる傾向があります。

向いている業種・ブランドステージ
教育機関(大学、学校法人)、政府・公的機関、歴史ある酒造・食品ブランド、スポーツクラブ、宗教団体など、正統性や伝統を重視する組織に適しています。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧_分類6_シグネチャーカラー

補足: Signature colors(シグネチャーカラー)によるブランディング

最近では、主にファッションの分野を中心に、ブランドのアイデンティティを確立するために独自のカラーを活用する例が見られます。そのブランドを象徴するカラーを「シグネチャーカラー」として定め、一貫性のあるイメージを表現することで、ブランドの認知度や信頼性を高めるねらいです。

シグネチャーカラーとは、あるブランドを象徴する色を定め、一貫性のあるイメージを表現することで、ブランドの認知度や信頼性を高めるための戦略です。


よく知られるのはTiffany & Co.による「Tiffany Blue(ティファニー・ブルー)」です。この鮮やかなブルーが色の商標として登録されたのは1998年、ブランド専用のカスタムカラーとしてPANTONE社によって標準化されたのは2001年で、こうした取り組みとしては先駆的なものです(「1837ブルー」)。

2021年にはBottega Venetaによる「Bottega Veneta’s parakeet green」、2022年には同じくファッションブランドのValentinoによる「Valentino Pink PP」がブランドのシグネチャーカラーとして展開され、話題になりました。


もともと自然界には無数に存在するものを、多様なシーンで定量的に扱えるように分類された「色」。こうした観点から「色」は、共有材としての側面も無視できません。それらを一私企業が独占的に使用することの是非は、今後議論される必要がありそうです。

しかし、こうしたシグネチャーカラー戦略は、ロゴの5分類とは別軸で機能するブランディング手法として、今後の動向を注視すべき領域です。

自社に最適なロゴタイプを選ぶための3つの基準

5分類の特徴を理解した上で、実際に自社のブランドに最適なロゴタイプを選定するための基準を3つの視点からご紹介します。

ブランド・アイデンティティ・デザインのための シンボルマーク5分類の一覧

①ブランドの成熟度で考える
新規ブランド(認知ゼロからのスタート)の場合、社名とロゴが一体的に認知される必要があるため、ワードマーク(4)やレターフォーム(3)が効果的です。一方、既に一定の認知がある企業のリブランディングでは、抽象的図形(1)への移行も選択肢になります。Appleがかつての虹色のロゴから現在のシンプルなシルエットへ移行した過程は、この考え方を象徴しています。

②展開するメディア・アプリケーションで考える
ロゴが使われる場所は多岐にわたります。デジタル中心(Webサイト、アプリ、SNS)の場合は、主に小さいサイズで使用されるファビコンやアイコンでの視認性が重要で、シンプルなAbstract型やLetterform型が有利です。実空間中心(店舗看板、パッケージ、車両)の場合は、遠距離からの視認性とブランドの雰囲気伝達が重要で、エンブレム型やワードマーク型も選択肢に入ります。

Balloon Inc.のブランド戦略では、こうしたタッチポイント分析を設計プロセスの初期段階で実施しています。詳しくは「Balloonのブランド戦略について」をご覧ください。

③ターゲット市場のスケールで考える
グローバル展開を見据える場合、言語に依存しないAbstract型が強みを発揮します。国内市場中心の場合は、日本語の社名をそのままデザインするワードマーク型や、日本の紋章文化との親和性が高いエンブレム型も有力な選択肢です。地域密着型の事業であれば、地域の特徴やストーリーを反映した具象的図形(Representational)型が、地域コミュニティとの結びつきを強化します。

よくある質問(FAQ)

Q. ロゴマーク・ロゴタイプ・シンボルマークの違いは何ですか?
ロゴタイプはブランド名を文字でデザインしたもの、シンボルマークは図形でブランドを表現したもの、ロゴマークはそれらの組み合わせまたは総称です。実務では「ロゴ」と総称されることが多いですが、デザイナーとのコミュニケーションでは区別して使うと意思疎通がスムーズになります。

Q. 自社に最適なロゴの種類を選ぶ最初のステップは?
まずは「ブランドが接するタッチポイント(名刺、Web、看板、パッケージ等)」と「ターゲット市場の範囲(国内/グローバル)」を洗い出すことをお勧めします。ロゴが実際に使われるシーンを具体的にリストアップすることで、求められる視認性やスケーラビリティが明確になり、適切な分類が絞り込めます。

Q. ロゴのリブランディングを検討すべきタイミングは?
一般的には、事業領域の大幅な変化、ターゲット顧客層の転換、M&Aによる組織統合、デジタルトランスフォーメーションへの対応などが契機となります。また、「現在のロゴでは伝えたいブランドイメージが表現できなくなった」と感じた時も、リブランディングの重要なシグナルです。

Q. 抽象的なロゴと具象的なロゴ、どちらがブランディングに有効ですか?
どちらが「優れている」ということはありません。重要なのは、ブランドの戦略・ターゲット・展開計画に合致しているかどうかです。グローバル展開と普遍性を重視するなら抽象的、ストーリー性や親しみやすさを重視するなら具象的が向いています。本記事の「自社に最適なロゴタイプを選ぶための3つの基準」も参考にしてください。

Q. ロゴデザインを依頼する際、何を準備しておくべきですか?
例えば以下の3点を整理しておくと、デザイナーとの対話がスムーズになります。
①ブランドのミッション・ビジョン(何のために存在し、どこを目指すか)、
②主な競合ブランドの想定(差別化の方向性を共有するため)、
③ロゴが使われる主なシーン(Web、名刺、看板、パッケージ等)。
Balloon Inc.へのご相談時にも、この3点を整理いただくことをお勧めしています。

おわりにーロゴマークとブランドアイデンティティ

ロゴマークのデザインは、新しいビジネスやサービスの期待感を生むことはできますが、すでに形成されたユーザーの考えや行動を大きく変えることは困難です。そこに本物の関係性や意味を持たせられるのは、その組織が提供する製品やサービスそのものであり、それに代わるものはありません。ブランドにとって重要なのは、そうした提供価値そのものに他なりません。

一方、優れたデザインというものは人の目に留まりやすく記憶に残りやすいものです。加えてそのデザインが意味するところを素早く明確に伝達することができます。そのように、人が接するあらゆる場所・時間において、統一された「世界観」のデザイン表現は極めて重要であると言えます。デザイナーが組織のブランディングデザインに寄与できるのは、まさしくこの点です。

ブランディングデザインの要である「ロゴマーク」は、スマートフォンの中のわずか数ピクセルで描かれた場合でも、建物や看板に大きく表示された場合でも、同じ「ブランド」として認識され、その独創性を発揮しなければなりません。デジタルとフィジカルの両方で、また今後何十年もの社会環境の変化に耐えうる耐久性を備えている必要があります。

ブランド開発を実施するにあたり、組織やサービスの特長をとらえ、どういったアイテム、チャネルへアプリケーションを展開するか。ユーザーとの接点や社会的な意義など、その組織の持つ多面的な「価値」を明確にすることで、その組織の独自性をともなったデザインが生み出せると考えます。

ブランドとは、あくまでその組織活動の表出であり、あらゆるブランド・アイデンティティ・デザインは、そこを起点に始まるべきではないでしょうか。

Balloon Inc.では、ブランドを「惹きつける力(求心力)」と「広げる力(遠心力)」という2つの軸で捉え、デザインプロセスを設計しています。

ブランドが持つ潜在能力を最大限に引き出し、持続的な成長へと導くための全体のプロセスや事例をまとめたサマリーブランド戦略についてページを公開しました。あわせてご覧ください。

*記事内の全てのシンボルマーク、ロゴタイプおよび関連する画像は、全てそれぞれの会社、組織に帰属します。