Quastella ブランド開発
Quastella Inc.
Branding, Art direction, Graphic design
Art Director: Shimizu Ryo
Cl: Quastella Inc.
「細胞の品質管理」という未来の産業における
ブランド開発のプロセス
株式会社Quastella(クオステラ)は、”Make it Alive.”(世界を生き生きさせよう)をMissionとして掲げ、細胞を利用した科学・産業・人、そして、地球全体の未来を活性化させるため、新時代の新しいモノづくりにおける「細胞の品質管理」を支える会社です。
そうした、これまでに無いような新しい領域の事業におけるブランドを開発するにあたって、まずは以下のようなコンセプトになりそうなワードを書き出し相互の関係を可視化したマップを作成しました(一部抜粋)。
目指すビジョンやブランドオーナーの想い、提供できる価値などをヒアリングしながら具現化するためのデザインモチーフを探っていく作業です。抽象度の高い言葉を起点に、言葉の成り立ちや具体的なモチーフを探しながらデザインの検討を進めていきます。
Quastellaとは、「品質 Quality」と「星 Stella(ラテン語)」を組み合わせた造語です。事業のコアである「細胞の品質管理」を体現したネーミングで、他には無い独自性を持ち合わせています。
造語としての覚えやすさ、読みやすさという点も考慮し、シンボルはあえてシンプルで記憶に残りやすい造形を目指しました。「ブランド・アイデンティティ・デザインのためのロゴマーク5分類」の 3.Letterforms(レターフォーム・字形にもあるように、ネーミングを補完するようなデザインをめざしました。シンプルで力強いアイデンティティを統合しています。
「Q」をベースにしたシンボルのデザイン
複数のデザインの方向性を検討しながら徐々にデザインを絞り込み、会社のイメージを具体化しているものはどれかというディスカッションを繰り返していきました。
完成したデザインは、クオステラの社名頭文字「Q」の文字をモチーフとし、周囲の円形を細胞とみたてた上のものです。二つのサイズの異なる円形をずらして配置することで、文字としての造形と、立体的に円(細胞)がせり出すような表現としてまとめました。前後の奥行きを強調するために明るさの異なる配色としています。
また、シンボルマークに調和する、ロゴタイプについても制作しています。
シンボルは円形をベースにして幾何学的な造形の組み合わせであり、そうしたディティールを用いてロゴタイプのデザインを行いました。
カラーパレットは信頼性、新鮮さを想起させるブルー系統をベースに以下のように設計しました。シンボルマークに施す場合、前後の奥行きを強調するため明度の差を大きくしています。
アプリケーション展開例
社名の頭文字「Q」をベースにデザインされたシンボルは 3.Letterforms(レターフォーム・字形)となります。このレターフォームのデザインは、ブランド名が長い、発音が難しいケースで用いられる傾向にあります。
「Quastella」という会社名も造語ということもあり、発音にやや注意が必要ですが、「Q」というシンプルで覚えやすいレターフォームをベースにデザインすることで、ブランドのオリジナリティを体現しました。
ロゴマークデザインについて5つの分類を行っております。分類全体の特長やそれぞれの詳細については「ブランド・アイデンティティ・デザインのためのロゴマーク5分類」もご覧ください。